運命の輪

〜人生が動き出す時〜
人生を謳歌している人は、きっと何も苦しまずにここまで来たわけではないと思う。
苦しかったこと、悔しかったこと、どうしようもなく傷ついたこと。
そういう一つ一つの経験が、その人の厚みとなり、盾となり、また次の挑戦へ進む力になっている。
楽しいことも、苦しいことも、
その両方を経験しながら人は少しずつ人生の器を広げていく。
そして、その器が広がった時に、
人生には何度か「運命の輪」が現れるのだと思う。
それは、人生の流れが変わる時。
止まっていた歯車が動き出す時。
新しい流れへ切り替わる、大きな転機のようなもの。
私はこれまで、何度も無理にこの運命の輪を回そうとしてきた。
まだその時ではないのに、焦って動いて、力づくで流れを変えようとしていた。
勢いで上手くいくこともあった。
でも、どうしても噛み合わない時もあった。
今なら分かる。
人生には、無理に動かす時ではなく、流れを見極める時があるのだと。
年齢を重ねる中で少しずつ分かってきたのは、
大切なのは、自分の直感を信じる力だということ。
周りの声に振り回されているうちは、本当に見えるべきものは見えてこない。
答えはいつも外ではなく、自分の中にある。
それは大きな声ではなく、
自然に湧き上がってくる静かな確信のようなもの。
理由は説明できなくても、
なぜか分かる。
なぜか、こっちだと感じる。
その感覚こそが、次の流れを知らせる合図なのだと思う。
痛みを知っている人は、人に優しくできる。
自分が傷ついたことがあるからこそ、
誰かの痛みに気づけるし、寄り添うことができる。
逆に、痛みを知らない人は、
自分がどうされたら辛いのかを知らないから、
無意識に人を傷つけてしまうこともある。
でも、痛みも優しさも両方知っている人は強い。
人の冷たさも、人の温かさも知っているからこそ、
本当の意味で優しくなれる。
愚かなものには、鋭い刃で断ち切ることもできる。
傷ついたものには、優しさで包み込むこともできる。
でもそれは、自分自身が癒やされていなければ、
自然にはできないことなのだと思う。
私はタロットに詳しいわけではないけれど、
大アルカナの中に「運命の輪」というカードがある。
それは、運命の歯車が動き出す時に現れるカードだという。
タロットは神様の声だと言う人もいるけれど、
不思議なほど今の状態を映し出し、
時に、これから起こり得る流れまで示してくれる。
これから起こるトラブルを小難に、
小難を無難に変えていく。
そんな風に、少し先の流れを読むための道標のようにも感じる。
カード一枚から色んなものを読み取っていく人たちを見ると、
そこには感覚だけではない、積み重ねてきた熟練の技というか、
自分の直感を信じているのを感じる。
きっとそれもまた、経験の積み重ねなのだろう。
自分が今どのタイミングにいるのか。
進む時なのか、待つ時なのか。
動くべきか、整えるべきか。
それを見極められるようになると、
人生はもっとスムーズに、もっと軽やかに進み始める。
色んなものを見て、
色んな経験をして、
色んな体験の中から得てきた答え。
その答えは、もう自分の中にある。
だからこそ、
その自分を信じて進めるようになった時、
人生はきっと、もっと面白く、もっと楽しいものになっていくのだと思う。