シャンバラ王国
― 言葉を封じた記憶 ―

過去を思い出す
追放された記憶を持つ自分。
喋ることを封じた自分。
言葉を飲み込んできた自分。
「もう大丈夫だよ」
「今度は、奪われないよ」
そう、心の奥で感じながら。
最近、ブログを書くことで、
私は少しずつ、過去の自分を迎えに行っている気がしている。
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ブログを書くようになったきっかけは、
とても現実的で、少し笑ってしまうような理由だった。
会社の営業やSEO対策の話の中で、
「ブログは週に2〜3回書いた方がいい」と言われたり、
「そんなの普通は無理ですよ」と、
半分挑発のように言われたりして。
じゃあ、やってやろう。
そう思ったのが始まり。
でも、実際にやってみると、
「あれ、これ、合ってるかもしれない」
書くことが、苦じゃなかった。
むしろ、楽しい!
言いたい事を(書いて)伝えるという行為が、本当はしたかったんだ。
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少し変な話をするけれど。
シャンバラという、地中に存在する王国がある、
という話を聞いたことがある人もいるかもしれない。
チベットの奥深く、
その入り口が隠されていると言われる、伝説の王国。
理想郷とも、霊的文明の中心とも呼ばれ、
密教や叡智の源ともされている場所。
私はなぜか、
そのシャンバラの光景を
「知っている」
ちょっとずつ点と点がつながってきて、
分かってきたことがある。
昔の私は、
密教的な教えを人々に伝える立場にあった。
王のすぐそばで、支える役割を担っていた。
必要な言葉を、必要な時に届ける役目。
でも秘密は守らないといけなかった。
けれど、
民のため、正義のために動いたことで、
結果的に私は追放された。
秩序を乱す存在として。
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その出来事が、
私の中に「喋ることへの恐れ」を深く刻んだ。
言葉を発することで、何かを失う。
真実を言ったはずなのに、排除される。
そんな記憶が、
理屈ではなく、感覚として残っている。
だからなのかもしれない。
私は昔から、
人前で話すときに言葉が詰まる。
言いたい事が言えない。
頭では分かっているのに、声が出なくなる。
口を閉ざし、話さないとと思うと
身体が先に反応してしまう。
つい、もう伝えなくてもいいや、と諦めてしまう!
それは、
ただの緊張とは違う。
まるで、
「喋ってはいけない」
というブレーキが、
無意識の奥でかかっているような。
それは性格でも、能力不足でもなく、
ただの「記憶」なのだと、
最近は感じている。
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小さい頃、一瞬だけ
「作家になりたい」と思ったことがあった。
本当に一瞬で、
書いてみたけどそれが独特な
不思議な世界観過ぎて、
すぐに「これじゃ無理だな」と諦めてしまったけれど、
今でも、胸の奥が弾んだ
あのワクワクした感覚は覚えている。
きっと、
自分の中に書きたい物語が、たくさんあったのだと思う。
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書いていると、不思議なことが起こる。
鮮明な映像が見えるわけではない。
はっきり思い出すわけでもない。
ただ、
感じたことを、
感じたままに伝える。
それだけ。
ブログを書くことで、
私は少しずつ、
言葉を封じた過去の自分を迎えに行っている。
そんな気がする。